「財閥御曹司」とは、富豪の一族が経営する企業の元に生まれた後継ぎ候補となる子息のことです。

幼少期から歴史ある会社の後継ぎとして教育されているため、その麗しい見た目だけでなく内面から溢れる品の良さ、物静かで余裕のあるふるまいが特徴とされることが多くあります。一方で強引な面や、恵まれた境遇とは裏腹に、実は密かに抱えている葛藤や過去の傷など、ギャップのある一面を持ち合わせていることもあり、読者はその人間味あるキャラクターに惹かれる傾向です。

そもそも現在の日本に残っている財閥はありません。戦後GHQにより解体されました。

そのため、恋愛小説に登場する財閥は旧財閥が経営していた企業をさし、その経営者の元に生まれ、後継者候補として生きてきた男性ということになります。

憧れのシンデレラストーリーを現世に置き換えた場合、社長やお金持ちの権力者をヒーローとすることが多くある中で、歴史ある旧財閥系企業を継ぐ男性というスペックは、より憧れ感・信頼感を増すことができるため、人気の設定となっています。

もともとは将来を約束された身分、庶民派ヒロインとの身分差を楽しむ設定として使われていましたが、最近では御曹司だけどドクター、御曹司だけどクリエイターなど、さらなるハイスペックなヒーローも増えてきました。

さらにはヒロインも由緒ある家柄の娘、敵対する企業の令嬢など、ハイスペカップルが試練や困難を乗り越えるストーリーも好まれています。