形のない彼氏。
あたしと同じ高校の制服だ…………
「誰だよてめぇ!」
「だから、そいつの彼氏」
はっ………?
「手加減できないけど、そこんとこよろしくね。」
「………やろー!」
男たちが放った拳はすべてかわし、彼は次々と倒していく。
そして全員、地面にのびてしまった。
「大丈夫か?」
彼はあたしの口のガムテープをはがし、手と足を縛っていたロープをほどいてくれた。
それまではいっさい泣いていなかったあたしは、彼が来たことにより次々と涙が溢れてきた。
「こわかっただろー。よしよし」
彼はあたしを抱き締めながら頭を撫でてくれた。