形のない彼氏。
「あなたは………?」
「俺?俺は祥(しょう)!!」
「祥さんですか…………あたしは愛です。」
「………知ってる。」
「なんで……!?」
「だってお前、有名だし。モデル並みにスタイルがいいってね」
「……!?」
「だから、お前みたいなのが夜遅くにあんな道を一人で歩くのは、危ないんだよ?」
「………すいません」
「わかればよし!!」
そう言って、彼は頭をクシャクシャっと撫でながら笑った。まるで子供のように。
その笑顔にあたしはこれから、たくさん救われていくんだね………