いいこちゃんじゃない!
「ここが家」
立ち止まった家はごく普通の家、
だけど、綺麗な庭があった。
決して広くはないのだけれど、綺麗なコスモスが咲いている。
コスモスは秋の初めに良く見かけるから、
秋も終わりのこの時期に咲いているなんて不思議。
「コスモス、綺麗だね。まだ咲いてるんだ」
「なんか俺のお母さん花好きで、そういう品種の種を買ってまいたらしいよ」
「へぇー!」
お母さんは素敵な人みたいだ。
「中、入ろ」
仁に言われ、ついに中へ。
「お、お邪魔します」
「そんなに緊張しなくたっていいって!」
そうは言っても、緊張するよー!
「ご、御両親は?挨拶…」
「あぁ、今日はお父さんは仕事で、お母さんは花の展覧会?に行ってる。兄ちゃんがいるけど、大学行ってるし。」
え?
てことは、2人きり?!
一気に鼓動が早くなる。
「今なんか変なこと考えた?」
すかさずいじわるく仁が言う。
「ち、ちがっ」
「2人っきりだね」
間髪入れずに仁が言う。
ちょっと、これは…!
私大丈夫かな?!