いいこちゃんじゃない!
「ここが俺の部屋」
そう言って案内された部屋はわりと綺麗に片付けられていた。
わぁ…男の子の部屋だ。
男の子の部屋に入るのは初めてで本当に緊張する。
「なにぼーっと立ってるんだよ。適当に座って」
仁の言葉で我に返り、慌ててテーブルのそばに座った。
「なんか飲む?あったかいのがいい?」
「あ、うん」
「何がいい?ココアとかコーヒーとかあるけど」
「お茶…」
「え?」
「私お茶がいい」
え?!私なに言ってるんだろう!
全然女の子らしくないし、若くもない!
「はははっ!お茶とか笑えるっ…」
仁に爆笑された。
「だ、だって…」
「緊張してんだよな。ほんとにリラックスしていいんだよ?お茶で落ち着くならお茶で全然出してやるからさ」
言いながらぽんぽんと私の頭に触れた。
それだけできゅんとする。
本当にいろいろ見透かされてるなと思いながら、私はうなずいた。