いいこちゃんじゃない!
仁はいじわるく笑ったあと、
ゆっくり私の唇に仁の唇が重ねてきた。
いつもと違う。
このときすでに私はそう思った。
しだいに深いキスになる。
仁の吐息が私の中に入ってくる
初めての感覚で頭がぼーっとする。
なんだか溶けそう。
そう思った瞬間、仁は唇を離した。
「結依…顔真っ赤だよ?」
いじわるく笑う。
意識がぼーっとしながらも私はうつむく。
「結依いいこちゃんやってるんじゃなかったっけ?」
言いながら私の顎をクイッと持ち上げる。
「…私いいこちゃんじゃ…ない…」
言い終わるとすぐに唇をふさがれた。
また離れて、
「こんな顔するなんて、結依はいいこちゃんじゃないね」
ニヤリと笑いながら呟いた。