いいこちゃんじゃない!
仁はずるい。
どこがっていうとすべてがずるい。
徐々に激しくなるキスに本能的についていこうとする。
それでも呼吸の仕方とかがよくわからなくて息が苦しくなる。
「ん…じん…」
やっとのことで声を漏らすと
「ごめん結依。苦しかっただろ?」
本当に申し訳なさそうに仁が言う。
「でも結依、キスうまいよ?」
「…っ!!」
仁!!
もう嫌だ!
体温がどんどん上がってきて…
くらっとしたと思ったら
遠くのほうで仁が私を呼ぶ声が聞こえた。