いいこちゃんじゃない!
「まあ、俺が隣にいるときはちゃんと守ってやるからさ!」
さらっと笑顔でこんなことを言われるから、私はいつも困る。
照れてうつむいていると、
「あれ?守ってやるって言ってるのにお礼はないの?」
あ、いじわるスイッチ入った。
「そういう訳じゃ…」
「じゃあほら、言ってごらん?」
うーー!!なんでこんなにキャラクター変わるの?!
「…ありがと」
「ちゃんと人の顔見て言うんだよ?小学校で習わなかった?いいこちゃん?」
「いいこちゃんって言わないでってば!」
ぱっと顔をあげて言うと、
「はいそのままお礼?」
そう言いいながら仁が私のほっぺを両手でつねる。
「いひゃい…」
「お礼」
脅迫だ!
「あひがとう」
「いいこ」
いいこじゃない!
と言おうとした次の瞬間、
ほっぺの痛みは消え、代わりに唇にふわりと仁の唇が重なっていた。