夢の夢のそのまた夢
「よぉ、由香♪」

そんな時、後ろから声がした。

あ…啓太。

振り返ると、そこには啓太がいた。

私が啓太に話しかけられたのを見て、咲紀はニヤニヤしながら先行くね、と行ってしまった。

ちょ…咲紀~!!

ちょっと酷くないですか?

「な…何か用?」

自然に声が低くなる。

本当は普通に喋りたいのに…。

そんな思いが裏目に出て、思ったように喋れない。

目線だって、いつの間にか下を向いてる…。

「相変わらずそっけないなぁ。俺悲しいで?」

そう冗談半分に言って笑う啓太。

その言葉、本気で言ってほしいよ。

「いつもの事でしょ?…で、何の用」

「またクラス違ったな、由香と」

あ…。

気づいてたんだ。

毎年クラスが違うこと。
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