ずっと好きでした、先輩。
「あ、京ちゃん」


ひなが京ちゃんと呼んだ人物をあたしはずっと見つめてしまった。



…カッコイイ。
素直にそう思った。


「宇治原。先公が呼んでんぞ。早くいけよ」


「マジでー。めんどくせぇ。姫奈乃ちゃん、美玲ちゃんごめん。ちょっと行ってくるー」



宇治原先輩は、教室の中へ行ってしまった。


「ま、一応京ちゃんにも紹介しとくか。この子は美玲、手出すんじゃないよ?」



ひなが、あたしを紹介する。
何故かとても緊張した。



「高野美玲です」



「俺は藤崎京太。よろしく」



藤崎京太。
よし、覚えた。



ものすごくカッコイイ。
とにかくカッコイイ。
身長高いし、細い割には筋肉がしっかり付いてる。



モデルいけるでしょ、ってくらいの人。



「お待たへー」


宇治原先輩が戻ってきた。
ひなが、嬉しそうにする。



本当に宇治原先輩が好きなんだなぁ。



「美玲ちゃん!俺と京太どっちがカッコイイと思う??」


は?
宇治原先輩は何を言い出すんですか?


「宇治原、調子のんな」



藤崎先輩が宇治原先輩を怒鳴る。
ちょっと、怖い。



「いやー、だってさぁ、俺ってかっこいいじゃん?京太も、かっこいいじゃん?だから」


理解不能なんですが。
何を言い出すの、この人は。



「宇治原先輩。美玲困ってるじゃん」


ひな、ナイスフォロー、も虚しく



「ねー教えてー、美玲ちゃん」



宇治原先輩クドい。


「宇治原!キレるぞ」


藤崎先輩が、また怒鳴る。



そもそも、どっちもかっこいいしね!
この二人のどっちか選ぶとか贅沢だわー。



でも、やっぱり…



「藤崎先輩…です」


あたしが小さな声で言う。
聞こえたかな?



「ちぇっー。京太派かぁ」



宇治原先輩が悔しそうな演技をして笑いを取る。



「あ、ありがとう」


藤崎先輩が照れくさそうに言った。
そんな姿もカッコイイと思ってしまった。


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