結婚に愛はあるのか?
家を出て、車に乗り込んだ私は思わず涙を流した。

陽介は私をそっと抱きしめる。


「辛い思いをさせたな」

そう言って謝る陽介。

…辛いのは私じゃない。…もっと辛いのはきっと陽介の方。



「…精一杯、陽介を愛するから」

そう言う言葉でしか、今の想いを言葉にできなかった。


・・・両親の愛を知らない陽介。

私の愛が、どれ程届くかわからない。

でも、私なりに精一杯、貴方に愛を注ぐから・・・・。



抱きしめてくれる陽介を、私もしっかり抱きしめた。
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