結婚に愛はあるのか?
「すぐに戻ってくるから、愛は家にいろ」

身支度を済ませた陽介は出かける為に玄関にいた。


「ダメ、私も行く」

どうしても、陽介と一緒に行きたかった。


・・・それはなぜかって?

それは、一本の電話がきっかけだった。

今日は日曜日で、珍しく、陽介のお母さんから連絡が来た。


「どうしたんですか、母さん?」

『…お父さんが倒れたの』

「え・・・・」


あまりに突然の事に、陽介は一瞬何も考えられなくなった。


『…原因は今検査中だから、結果が出次第聞きに行くつもりなんだけど、

どうしても一人では聞けなくて・・・陽介、病院に来られない?』


そう言ったお母さんの声は、震えていて、今にも泣き出しそうだった。


「わかりました、今自宅にいます、準備が出来次第すぐに行きますから」

『…ありがとう』

…やっと電話は切れ、陽介が事の次第を私に説明し、準備を始めた。


・・・そして今に至る。
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