結婚に愛はあるのか?
「もし許してもらえるんだったら、もうすぐ生まれてくる

お腹の子を・・・生まれたら抱かせてもらってもいいかな?」


「…私と陽介さんの結婚を認めてくださるんですか?」


「あぁ、もちろん・・・今まで陽介を愛してやれなかった分、

それ以上に、愛さんの愛で包んでやってくれ…お願いします」

そう言ったお義父さんは、私の手を握りしめた。


…私は感極まって涙を流した。



「・・・愛に何を言ったんですか、父さん」

いつの間にか入ってきていた陽介がお義父さんに静かに怒った。


私は慌てて涙を拭き、陽介を止める。

「悪い事は何も言われてない…嬉しい言葉を貰ったの。

だから、お義父さんを怒らないで・・・」


「…愛」


「・・・あなた、愛さんに何を言ったの?」

陽介の後ろにいたお義母さんが問いかけた。



「孫を抱きたいと、お願いしたんだよ」

…お義父さんの言葉に、陽介もお義母さんも驚いていた。


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