結婚に愛はあるのか?
何も言えないでいる陽介やお義母さん。

私は微笑み、お義父さんに言った。


「生まれたら必ず、抱いてあげてください・・・

何度だって、連れて行きますから・・・」


私の言葉に、お義父さんは微笑んだ。

・・・しばらく病室にいたが、陽介やお義母さんは、お義父さんの病状を

言う事はなかった。


・・・あまりいい状態ではないのだろうか?

そう思うと胸が痛んだ。


「また来るから」

陽介の言葉。


「もう来なくていい、すぐに退院するから」

そう言って笑うお義父さん。


「…完治させてください。…そうじゃないと、孫は抱けませんよ」

そう言った陽介は、私を連れて、病室を出た。



…私に、お義父さんの事を話してくれるだろうか?

私は、陽介の手を握りしめた。
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