結婚に愛はあるのか?
「・・・」

私の質問に、怪訝な顔をした陽介。

・・・私、なんか変なこと言った?


「おい、愛、」
「エ…ヒャ!」

・・・。グイッと手を引っ張られ、

私は陽介の方に倒れ込む。そんな私を寸前で受け止め陽介は、

私の唇にキスをした。

・・・驚いた私は、陽介を見つめる。



「抱いたから…キスしたから。

何より、愛にそれをプレゼントしたんだ・・・

付き合ってるに決まってんだろ」

それだけ言うと、陽介は行ってしまった。


・・・その場に取り残された私は、

見えなくなってもしばらく、陽介が消えた方向を見つめていた。


・・・私たち、カレカノになったんだ。

陽介は、たった一晩で、私を好きになったのか?

・・・私は?

…好きなわけがない。だって、抱かれたのは、酔ったせいだったから。

キスされたのは、陽介が強引だったから。


…この付き合いは、…この愛は、偶像。
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