結婚に愛はあるのか?
その後一週間は、陽介から連絡すらなくて。

…と言うか、元々、連絡先すら交換していないんだから、

互いに連絡なんて取れるはずがないんだ。


「愛、陽介君とその後、進展はあったの?」

一軒の居酒屋の中、お酒を飲みながら、美樹が聞いてきた。


「…ううん。何の進展もないよ。

あの日、送ってくれただけだし」


・・・私は美樹にウソをついていた。

酔った勢いとは言え、ヤッた事。

ペアの指輪を買い、互いに着けている事、すべて。

だって言えない。

連絡先も知らないし、第一、あの日の出来事自体、

陽介の気まぐれかもしれない。


「そうなんだ…私はてっきり、いい感じになってるんだと思ってた」

「・・・え?」

美樹の言葉に、少し驚いた。

何でそんな風に思ったのか、わからなかったから。


「奏が言ってたのよ。

陽介君が、女の子を一人で送り届けること自体初めてらしいし。

カラオケでも、ずっと愛の隣にいたでしょ?

そんな事も、今まで一度もなかったから、陽介君は、

愛の事が凄く、気に入ったんじゃないかって・・・

もしかしたら一目惚れなんじゃないかって言ってた」


美樹の言葉にただただ驚く。
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