結婚に愛はあるのか?
でも、誰だかわからなくて、携帯を見た。

…そこで更に驚く。

『陽介』。そうディスプレイには表示されていた。

・・・私、連絡先なんて、交換してないよ?


陽介の前では、携帯にすら触っていない。

朝起きた時には、机の上に、携帯はあったけど。

…?!・・・もしかしたら、その時かもしれない。


陽介が自分で、携帯番号を登録したのは。


「…どうしたの?」

ちょっと声が震えた。・・・なんでだろう。


『下に来てる』

その言葉に驚いて、私は廊下から駐車場を覗いた。

・・・すると、いつもの車にもたれかけ、携帯を持ったまま、

上を見上げてる陽介がいた。


私は無意識に、下へと駆け下りていた。

「・・・はぁ・・・何で、こんな所に?」

「・・・」


「もう、11時だよ?」

「・・・」

私の言葉には答えず、ただ真っ直ぐに私を見つめた陽介に、

なぜか、ドキドキしている自分。

そのせいか、その後の言葉が出てこない。


「・・・会いに来た」
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