結婚に愛はあるのか?
その言葉の後、私は陽介の腕の中にいた。

「…番号」

「あの日に登録してた」

・・・やっぱり。


「こんな時間までどこに行ってた?」

「…飲みに」

その答えに、陽介は黙り込んでしまった。

私は、そっと上を見上げ、陽介の顔に、困ってしまう。


まるで怒ったかのように、目が揺れていた。

・・・何か、勘違いしているのでは?

「…美樹と、だよ?」

恐る恐る、そう言うと、・・・目が少し、優しくなった気がした。



「男は?」

相変わらずの無表情で、そう問いかけられ、

・・・やっぱり、勘違いしてるんだと悟る。


「いるわけないじゃない・・・

美樹とご飯食べて、話し込んでたら遅くなっちゃって、

電車で帰るのもめんどくさくて、タクシーで帰ってきたの」


そう言ってニコッと微笑めば、陽介はまた私を抱きしめた。

その行動に、ドキドキが治まらない。


「男とは、絶対に飲むなよ?」

「・・・う、ん」


「知ってる男とも」

「…会社の飲み会は?」

それは断れないし・・・。
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