結婚に愛はあるのか?
…気が付けば朝で、まだ夜が明けきれぬ、

そんな時間だった。


・・・やっぱりお互い、裸のままで、

そんな私を、離さないように、きつく抱きしめたまま陽介は眠っていた。


…起きなくちゃ。…時計は、5時30分。

私は大体この時間に起きて、朝の身支度を始める。

女は、支度に時間がかかるもの。

化粧は常に念入りに、髪型も風にも乾燥にも強く、そして潤いを。


…でも、そうさせてくれない人が。


「…どこ行く?」

「…身支度でもしようと思って」

私が動いたことで、陽介が起きてしまった。

陽介は私を抱きしめたまま、離さない。


「もう少し、このまま」

「…陽介も仕事でしょ?一旦家に帰らなきゃ」

・・・今日も平日。互いに仕事は休めない。


「・・・今日は休む」

「・・・へ?」

ちょっと、休むの?そんな事でいいの?

私は驚いて、一時停止する…ダメダメ。私は仕事を休めない。


「…ダメだよ。仕事には行かなきゃ」

「・・・」
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