結婚に愛はあるのか?
奏に腕を掴まれ、強引に店を連れ出される美樹。

…今にも殴っちゃうんじゃないかと言う形相だったので、

心配になった私は、2人を追いかけた。


「・・・・・」

店を出た途端、足が地面に張り付いたように動かなくなった。


「愛ちゃんの事は任せたぞ」

そう捨て台詞を吐いた奏は、嫌がる美樹を、

連行していった。


「・・・久しぶり」

「・・・」

私の言葉に、返事なんて一切しない。

・・・私はいたたまれなくなり、その場を去ろうとした。

・・・が、帰してくれるわけがないんだ。


「2週間も会わなかったのは、男と会う為か?」

「?!違う!」

絶対に違う。そう言いたくて振り返り、固まる。


…切なげな陽介の顔。

スーツのままだったが、ネクタイは外していた。

私の手をギュッと掴んで、言いたい事を我慢している。


「・・・そんな顔すんな」

・・・私は、明らかに泣き出しそうな顔をしていた。

それを見た陽介も、目が揺れている…困惑の表情。
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