結婚に愛はあるのか?
「とにかく…うちに来い」

そう言った陽介は、黙っている私を、

自分の車に誘導した。

そして、陽介の家に着く。

…相変わらず小奇麗にしている部屋。

…そうか、陽介だってまだ二十歳。

こんな豪華なマンションに住むこと自体、

変、だよね。


全く違う疑問が、頭をよぎる。


ソファーに座らされて、陽介はキッチンに消えた。

・・・帰ってくると、手にはミネラルウオーターが。

「とりあえず、呑め…酔い醒ませ」

「・・・」

私はそれを受け取り、少しだけ飲んだ。

…酔いなんてとっくに醒めている。


「・・・言いたい事あるなら、言ってよ」

目線は陽介を捉えることなく、ボソッと呟く。

…陽介は、私の隣に座り、一言言った。


「会わなかった理由は?」

「・・・」


「他に男が出来たとか?」

「違う!…絶対に違う」


必要最低限の言葉だけが交わされる。
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