結婚に愛はあるのか?
「ゴメン、急に、用が出来たから今夜は帰るな」

そう言って車を出たのは、瑞樹だった。



「ったく。最近、付き合い悪ぃな」

そう言ってちょっと不機嫌になった奏。


「まぁ、まぁ、瑞樹君だっていろいろ忙しいんだから。

気をつけてね」

奏を宥めながら、そう言った美樹。

そんな美樹のおかげで、奏は仕方ないって顔で、瑞樹に言った。


「今度は、朝まで付き合えよ」

「はいはい、わかってます、じゃあ…ゴメンね、愛ちゃん」


「いえいえ、気をつけて」

私は瑞樹に微笑んだ。

瑞樹は私の笑顔を見て、少しホッとした表情になった。


…4人になった車内。

今度は車は繁華街に向かって走り出した。

美樹がカラオケに行きたいと言い出したから。

歌は好きだけど、初対面の人の前で歌うのは、ちょっと気が引ける。


・‥って言うか、この空気に、私は耐えるのに必死だった。

だって・・・後部座席で、美樹と奏が、イチャついているから。

見せられるこっちが恥ずかしい。


「・・・名前、なんだっけ?」

「・・・え?」
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