結婚に愛はあるのか？

「奏、今、美樹ちゃんと一緒か？」

…オレは病院の駐車場から、奏に電話をかけていた。


「・・・あぁ。美樹なら隣にいる、

オレの家だけど、美樹に用でもあるのか？」


「・・・あぁ、凄く大事な」

「わかった…今から来ればいい。

美樹にも言っとくから」


「悪いな」

…そこで電話を切った。


なぜあんなにも、産む事を、赤ちゃんを、オレを拒むのか？


その理由が知りたかった。

こんなにも愛せる女を見つけのは初めてで・・・

そんな愛する女に子供が出来て、どれだけ嬉しいかしれないのに。


頑なに、オレを拒む愛。

愛を守りたいのに・・・

お腹の中の子を守ってやりたいのに、

それが出来ないのが、何より苦しかった。


…車は１５分ほどで、奏の家に着いた。

「悪いな、こんな時間に」

「まぁ上がれよ…美樹も待ってる」

ただ今の時間午後１０時。