結婚に愛はあるのか?
「美樹…陽介が困ってる。離れてやれよ」

そう言った奏が、オレから美樹を離す。

やっと離れた事に、少し溜息をついた。


「お願い、愛を見捨てないで」

美樹は、今にも泣き出しそうな顔で、オレに頼み込む。


「大丈夫だよ・・・見捨てたりなんかしない。

オレには、愛しかいないって思うから」

そう言って微笑めば、美樹は安心したのか、

声をあげて泣き出した。

オレはそれに困って、オロオロする。


「あ~・・・わかった、わかった。

陽介、美樹の事は気にしなくていいから。

お前はもう帰れ。…そして、明日ちゃんと、

愛ちゃんに、話し、するんだぞ?」

片手で美樹を宥めながら、オレにそう言った奏。

オレは二度頷き、美樹を奏に任せて帰った。


…明日。


愛と向き合う。

そう心に決めて。
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