結婚に愛はあるのか?
なんで今頃そんな質問をしてくるのか?

最初に愛って名前を名乗ったし、さっきだって、

瑞樹が私に愛ちゃんって言ってたでしょ?


「・・・愛です」

でもそんなことを聞かれては、応えないわけにはいかない。


「ふ~ん」

って、それだけかい?!

思わず突っ込みたい衝動に駆られたが、口をグッとつぐんだ。

…シーン。

その後の会話は、全く思い浮かばず、困り果てた。

変な質問の後に、黙られると、困惑するばかりで。



そんな事を思っていると、

車は、一軒のカラオケ店に入ってきた。


「ヤッタ!歌おう、歌おう!愛、歌美味いもんね」

美樹はそう言ってニッコリ。

いつも美樹は、私にこの言葉を言ってくれる。

そう思ってくれるのは嬉しいけれど。



「美樹の歌声にはかなわないよ」

…実際、美樹も歌、上手だから。


・・・何で、美樹と奏は、この重い雰囲気を気にせず、

歌っていられるのか?
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