結婚に愛はあるのか?
「私、料理が出来なくて、いつも外食ばっかりで。

誰かが料理してくれたらなあ、なんて思ってたんだよね。

家賃の代わりに、食費と料理お願いしていい?」


「もちろんです、そんな事で良ければ」


「あ、もちろん、光熱費も私が払うから」

「だ、ダメですよ。そこまで甘えられません」


私の言葉に、フフフと笑った沙織。


「実はさ、光熱費は、払ってないの」

「・・・え??」


「うちの社長の持ちマンションだから、

光熱費は、社長払いなの・・・

他の社員にはヒミツよ?あ、でも勘違いしないでね。

私と社長は愛人関係なんかじゃないから」


「?!!」


「社長は、私のお父さんだから」

「…なるほど」


「家賃だって、本当は払わなくていいんだけどね?

形だけ払いなさいって言われてさ、そのお金は、どうも、

貯金されてるらしいって、お母さんから聞いた」


「フフ・・・いいご両親ですね」

心からそう思った・・・私の両親も、そんな人であってほしかった。
< 55 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop