結婚に愛はあるのか?
…相変わらず、気分がすぐれないまま、

私はソファーに横になり、ひと眠りする事にした。

・・・赤ちゃんが、無理をして怒っているのかもしれない。

ちゃんと体を休めろって言ってるような気がして。


…それからどれくらい眠っていたのか、

辺りは闇に包まれていた。

ビデオデッキの時計は7時になっていた。

…体調はだいぶ良くなっていて、何か食べようと、起き上がった。


その時、タイミングよく、玄関のチャイムが鳴った。

ドアの目の前まで来て、足を止めた。

…陽介だったらどうする?

そうだ、覗き穴・・・


私は恐る恐る、外を見た。

…外には、沙織が立っていた。


私はホッと溜息をついて、ドアを開けた。

「こんばんは、遅くなってごめんなさい」

そう言った沙織は、お弁当を二つ、私に見せた。


「あ、ありがとうございます、とりあえず中へどうぞ」

私の言葉に、笑顔で頷くと、沙織は、中へと入ってきた。
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