結婚に愛はあるのか？
２人で話がしたい。

そう言ったものの、どう話を切り出せばいいかわからない。

「…まさか、沙織の所にいるとは思わなかった」

…沙織。…呼び捨てなんだ。

そう思っただけで、胸が苦しくなる。



「…まさか、陽介の元カノだとは思わなかった」

私も思った事を口にする。

・・・その後、やっぱり無言のままで。


「沙織とずっと前から知り合いだったのか？」

「…ちょっと前に、…でも、こんなに親しくなったのは、

ここ一週間くらい、かな」


「ルームシェアとか言ってたけど、ここに住んでるのか？」

「・・・うん」


「こんな所に住んでないで、…オレのマンションに来たらいい。

オレの気持ちは何も変わってないから・・・

うっとおしいか、こんな男？」

そう言った陽介は、寂しげな笑顔をのぞかせた。


私は陽介の言葉に首を振る。

うっとおしいなんて思うわけがない。

嬉しさの方が勝っている。
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