結婚に愛はあるのか?
「・・・愛、今、なんて言った?」

「エ?…両親と同じになるのが怖いって言った」

ちょっと、陽介の顔を見て応える。

…陽介の顔が驚いてて、意味が分からずちゃんと、

陽介の顔を見ていた。



「違う、最後だよ」

「…愛する人を愛せなくなる日が来るのが怖・・い」

もう一度その言葉を聞いた陽介は、、確信したような顔をして、

私をギュッと抱きしめた。


「よ、陽介、なん何の?」

私は陽介から離れようとしながら問いかける。

すると陽介は顔だけ起こし、私の顔を優しい眼差しで見つめた。

・・・その優しい表情に、キュンとする。


「オレの事、愛してる・・・そういう事だろ?」

「…ぁ」

私は思わず口に手を当てた。

…どさくさに紛れて、本当に無意識に、本音をポロッと、言ってしまっていた。


「今のは」

「今の言葉はナシとか言っても無駄だからな。

オレはこの耳で2度も聞いた。・・・その言葉があれば十分だよ。

その言葉があれば、オレは世界一幸せだ」
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