結婚に愛はあるのか?
「・・・おぅ」

それだけ言って…なぜか私は、ギュッと抱きしめられた。

ちょっと?!…朝日が入る、この明るい部屋で、

裸の男と女が抱き合うとか、恥ずかしすぎるんですけど?


沢山の男と付き合ったとはいえ、

こんな経験は、生まれて初めてで、私は体を硬直させた。

今まで、こんな失態をした事が一度だってなかったから。


「あ、あの、陽介君?」

「陽介」

「・・・はい?」

「君はいらない」

「・・・」

・・・急に、昨日とは全く違う感じな陽介に、

私は困惑し、黙り込んだ。


「・・・こんな事」

「・・・え?」

・・・こんな事って、どんな事?

私は、黙って、次の言葉を待つ。


「こんな事、他の男とするんじゃねぇぞ」

「・・・う、うん」

そう言って頷くと、…陽介がフッと笑った。

…笑った?…今、確かに笑ったよね?


私は目を見開き、陽介を見つめた。
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