結婚に愛はあるのか?
コーヒーを淹れ、テーブルに静かに置くと、

「ありがとう」

私の目を見て優しく微笑んだ陽介がそう言った。

それを見た私も自然と笑みがこぼれる。


…ホットミルクを飲みながら、

私はテレビを見るふりをしながら、陽介の仕事をしている姿を

ずっと見ていた。


「…よし、終わった。さて、どんな話をしようか?」

「・・・え?」

陽介は、自分が見られていることに、気が付いていたようだ。


「愛は、オレの事、何にも知らないよな?

…いつかは話そうと思ってた。…自分が会社の社長をしている事も、

何もかもすべて…でも、それを聞いた女は、オレに対する態度を180度

変えてしまう事が多くて、愛になかなか言えなかった・・・」


「…私が、そんな子たちと一緒だと思った?」

…私はそれを聞かされた所で、きっと何も変わらない。

私は、陽介と言う人間に、恋をしたのだから。


「・・・いや、愛がそんな子じゃないって分かってた。

でも、いつもの癖と言うか・・・今夜は、愛が聞きたい事、全部答えるよ」


…それから、陽介は私の問いにすべてを答えた。
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