ど ん な 君 で も 、
▼. 出会い
高校2年生の春が、始まった。

今日も、わたしは、同じ時間に起きて、
とてもじゃないけど、可愛いとは思えないような
制服を着て、
同じ場所に、『勉強』のために向かう。

「理子ー!遅いよ!」
昨日も、一昨日も、あれ?
一年前もだったかな?
わたしは、いつも親友の楓香と登校する。
寝坊ばっかりしちゃうから、
ぼさぼさの頭のまま、慌てて玄関のドアをあける。

「ふうちゃん、ごめんね、いつも待たせて。」

「いいんだけど、すごく寒い。」

そう。
4月とはいえ、まだまだ寒さが残っている。
わたしは、申し訳ないなという気持ちに包まれながら、
少し大きめの自転車にまたがる。

去年は、嬉しいことにふうちゃんと
同じクラスになることができた。
ふうちゃんとわたしは、小学校時代からの
付き合いで、中学生のときは、
奇跡的に3年間同じクラスだった。
もう、奇跡どころか運命だね
なんて笑いあった日もあったな。

「今日は、クラス発表だね。
また、同じクラスなれるかな。」

「心配するなって。大丈夫だよ、
うちら運命だから。」

極度の心配性のわたしにとって、
ふうちゃんのその一言は、かなり気持ちに影響する。
だから、中学時代のころは、ふうちゃんに
何度も助けられたなあ
なんて考えてたら、クラスはなれちゃうかも
って思うと泣けてくる。

「ちょっとー!泣くなって」

わたしは、極度の心配性プラス涙もろすぎる。
みんなが、泣かないようなことでも、
わたしは、必ず泣く。
だから、馬鹿にされる。
きにしてないけどね、 

「理子、やっぱ涙腺くるってるじゃん。」

知ってるよ、
なんて心の中で思いながら、
でも、言葉には出さず、そのまま自転車をこいだ。
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