ど ん な 君 で も 、
すごくどきどきする。
画面をタッチする指が震える。
何が書かれているのだろう。

受信
「[和也くん]
今日は、アドレス教えてくれてありがとう。
さっそく送ってみました!
てか、理子、一番の意味わかった?」

たった3行。
絵文字もないそっけない文章。
それすらも愛しくて、
やっぱり、わたしは和也くんのことが大好きなんだなぁって
改めて実感する。

送信
「[和也くん]
こちらこそアドレス教えてくれてありがとう。
これで、和也くんに勉強教えてもらえるー笑
一番の意味ね!
調べてみたのー(^ω^)
知らなかった!
あ、わたしはねぇ、
和也くんの着信音を特別にしちゃいました(つω//)」

これだけの文章なのに、
送るのに10分以上もかかった。
嫌われたくないから、
少しでもいい子って思われたいから、
何度も何度も読み返して、
5回目でやっと送信できた。
案の定、わたしは、
スマートフォン初心者のため、
フリップ入力が大嫌いだ。

一文字打つのにも、
すごく時間がかかってしまう。

「えーと。 こ は、どうかな。
↓だ。↓。」

だから、すみれに、いつも、

理子は機械音痴だね

なんてからかわれてるけども。
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