ど ん な 君 で も 、
「俺、C組で悪かった?」

気づくとそこには、
気まずい顔をしたこうちゃんが、
わたしの顔をのぞくようにして、
たっていた。

「いや。別に。
あんたのことなんか興味ないし。」

「ひでえな。」

「知るか」

ついきついこと言っちゃうけど、
こうちゃんが同じクラスだと、
結構心強いんだよな。

「てか、こいつ誰?
こいつのこと、聞きたかったんだけど。
安田、顔広いからさ。」

いやいや。
顔、ひろくないけどさ。

「誰だろうこれ。」

眉毛を八の字にして、
顔をしかめるふうちゃんを見て、
つい笑ってしまう。

「おもおか って読むの?これ。
なに?」

「あんた、よくこの高校受かれたね。」

この高校は、
学力レベルも、そんなに低いわけでなく、
平凡でもなく、高いわけでもないが、
高いほうの分類に入る高校だ。
学校の先生は、
ふうちゃんに、
受けてみるだけ受けてみろ
って言ったんだ。
ふうちゃんとわたしは、一生懸命勉強して、
この高校に見事合格した。
でも、ふうちゃんはとても漢字が弱い。

「ばーか。 しげおか て読むの。
しーげーおーか。 覚えとけ、」

見慣れない名前。

"重岡和也"

転校生かな。

「しげおか って読むんだ!!ありがとう!!
でも、このあたりではあんまり見かけない苗字だね。
どこの人なのかな。」

「どこだろうね。」

「いけめんかな。」

でた。
ふうちゃんの悪い癖は、すぐいけめんを探すこと。

たまにわたしも乱入するんだけど。




「そろそろ行くか。」

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