ど ん な 君 で も 、
ちくしょー、
話なげえ、

校長の無駄に長い話にはもうこりごり。
長すぎる。
寝ようかな。
はああ。


あ。
終わった。

_先生の指示に従って、教室に戻りなさい。

わたしのクラスの担任は、
案の定わたしの大好きな先生だった。

「転校生を紹介する。」

教室に入るとすぐに、先生が転校生の紹介をすると言った。
どんな人なんだろう。

「こんにちは。
重岡和也です。
大阪から、親の転勤でこっちに来ました。
野球が大好きです。
仲良くしてください。
よろしくお願いします。」

無駄な言葉のないすっきりとした
自己紹介は、わたしにとって、とても好印象だった。
プラス、いけめんだった。
くっきり二重に高い鼻。
血色のいい頬に、ぷるぷるの唇。
これ、完全に女子じゃん!
なんて思っちゃうくらいきれいな顔立ちだった。

「安田。重岡と隣だから、仲良くしてやってくれよな。」

「あ、はい。」

先生に言われたら聞くしかない。
というか、重岡くん、関西なまりあるんだけどっ!!
かっこいいなぁ。

わたしには、理想の彼氏像がある。
いけめん/運動神経がいい/かしこい/関西弁
こんな人なかなかいないよ、現実味なさすぎ
なんてふうちゃんにいわれたけど、
今日であったじゃないか。
重岡くん、いけめん。
でも、
運 命 の 相 手 
とか、
ビ ビ ッ と き た
とかはなくて、ただ単に、かっこいいな。
それだけ。

普通にただの男子って思ってる。

「安田さん、よろしく、
俺、和也ってゆうねん。
適当に呼んでな」

やばい。
関西弁って、すごくときめく。

「うん、じゃあ、和也くんね。
わたしのことは、理子とか、
適当でいいから!
よろしくね」

それから、
わたしたちの高校生活が始まった。
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