another day -あなたから愛される日-
―靖人side―
――――今日も結局、あいつに会いに行けなかった。
「あ、靖人起きた?」
朝日がカーテンから漏れる。
眩しくて目を細めると隣で俺を覗き込む女のシルエットが見えた。
彼女の身を纏うものはなかった。
もちろん、俺も。
「昨日めっちゃ激しかったね。なんか嫌なことでもあったの?」
彼女は馴れ馴れしく俺に触ってくる。
「お前、誰?」
冷たく言い放つと彼女は小さく笑った。
「何?抱いた女の名前も知らないの?」
――――抱いた。
また、やってしまった。
「さゆりよ。覚えといて。」
彼女はそう言うとまた俺にぴったり寄り添い、朝から襲ってほしいと言わんばかり。
俺はその体を払いのけさっさと着替える。
「え~、もう帰っちゃうの?」
時計を見ると、朝の七時。
俺は着替えが終わると彼女を無視して部屋を出た。