another day -あなたから愛される日-



外に出ると冷たい風が俺の全身を刺す。


さみぃ。


もう十二月も半ば。


寒さも本格化してきた。


俺は今日のスケジュールを確認しようとスマホを取り出す。


着信、五件。


そのうち四件は莉奈からだった。


…また、やってしまった。


俺は小さく舌打ちをしてスケジュールだけ確認した。




吉崎莉奈、俺の会社で働くOL。


社員の噂で綺麗だとか、可愛いだとかは聞いていたが会ったことはなかった。


そんな俺が彼女を初めて見たのは彼女が書類を届けに来た時だった。


たびたびOLが俺の元へ来ることはあった。


でも、彼女は特別だった。


一目見ただけで釘づけになるほど俺はひかれた。


綺麗な栗色のセミロングの髪を耳にかけて大きな目で俺を見つめる彼女。


これが、一目ぼれか…。


女には不自由していなかった俺。


でも本気で惚れた女は今までいなかった。


初めてだった、自分のものにしたいと思ったのは。


俺はその日から彼女のことが気になって仕方がなかった。


だからついに、告白した。


俺には婚約者がいるってわかってたのに。


 
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