another day -あなたから愛される日-
何をやってんだ、俺は…。
俺は莉奈の部屋を出た後、彼女の上司である藤井ミヨの家へ来ていた。
莉奈と付き合う前から関係のあった彼女。
お互い割り切った関係だった。
「で、莉奈を一人家に残してきたの?」
ミヨを一度抱いた後、彼女に聞かれた。
「あぁ。」
「バカじゃないの?あの子ホントは淋しがり屋なのに。」
「でも仕方ねぇだろ?あいつ、他の男と会ってたって…思い出しただけでも腹が立つ。」
「だったらあんたはどうなのよ?あの子の約束すっぽかして、他の女抱いてたり。あの子の子と怒鳴りつけて、先輩である私を抱いてたり。…莉奈のほうがずっと苦しんでるの、わかんないの?」
ミヨは俺を睨めつけるように見ていた。
彼女が俺に抱かれている以上、説得力なんてないけど、彼女が莉奈のことを本気で思っていることくらいわかる。
「あの日はね、…莉奈、誕生日だったの。」
「え…。」
そう言えば、以前彼女の誕生日を聞いたことがある。
クリスマスの少し前、確か俺が約束をすっぽかした日だ…。
「あの子は何にも言わないでしょ?でもホントは気付いてほしかったんじゃない?プレゼントでも見せれば思い出してくれるかもって。…あの子がホントに欲しいのは、あなたからのプレゼントなんじゃないの?」