another day -あなたから愛される日-
そして、部屋に入った瞬間、きつく抱きしめられる。
彼の香りがする。
彼の力の強さは苦しかった。
強すぎて、切なすぎて…。
私は彼の胸の中で涙があふれそうだった。
今にもあふれてしまいそうだった。
でも、泣きたくない。
彼に重いと切られてしまうんじゃないかって、勝手に思ってた。
しばらくして腕の力が緩み、やっと彼の顔を見ることができた。
彼は、いつも以上に苦しそうな顔をして私をじっと見つめていた。
そのまま小さなキスが落とされた。
と同時に私の目から一筋、涙があふれた。
あの曇天から、今にも降りそうだった雨、そう言えば今日は、雨ふりだったな…。