another day -あなたから愛される日-



「莉奈。」


私は彼に誘導されるまま白い大きなソファーに連れて行かれ、そのまま彼とともに腰を下ろした。


一筋流れた涙は、止まることを知らなかった。


泣き続ける私、抱きしめ続ける彼。


私の髪を撫でてくれる彼の温かい手が心地よくて、いつの間にか抱きしめ返していた。







「莉奈、ごめんな。」


昨日のこと?誕生日のこと?


わからなかったけど、今彼の目に映っているのは私しかいない。


そのことがうれしくて、今はもうどうでもよかった。


彼は何度も口づけをくれた、何度も抱きしめてくれた、何度も、莉奈って、呼んでくれた。



「ううん、私は靖人がいてくれるだけでいいの。…どこにも行かないで…。」







「愛してる、莉奈…俺、莉奈を愛してるんだ…。」






うれしくて、うれしくて、涙が止まらない。


初めて言ってくれた、“愛してる”


一番聞きたかった言葉。


「靖人…私も、靖人なしじゃ生きていけないくらい…愛してるの…。」 


彼は優しくほほ笑んでまた、キスをくれた。



 
< 30 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop