another day -あなたから愛される日-
でも、はじめて彼に抱かれた時、そんな噂は信じられなかった。
私を割れ物のように大事に、大事に扱ってくれた。
優しすぎるくらい優しかった。
もちろん、女慣れしてる、とか経験豊富そう、とか思ったけど、この人が何人もの女性を泣かせてきたなんて正直、信じられなかった。
「ねぇ、場所移動しよ?」
「ごめん、無理。」
さすがに玄関で抱かれることには抵抗があった。
でも彼は許してくれなかった。
「…んぁ、ね、ぇ、おねが…い…。」
彼は上手すぎる。
いつでも私を虜にする。
ずるい…。
甘い雰囲気に溺れそうになる手前、体が急にふわっと浮いた。
「キャッ…。」
「わりぃ。ベッドでいい?」
私は彼にお姫様だっこされながらコクンと頷いた。
「はぁ、食べちゃいたい。」
小さく笑う彼は私をベッドまで運び降ろすと同時にまた覆いかぶさってきた。