another day -あなたから愛される日-



彼はいつもそうだ。


事が終われば私の前からいなくなる。



もともと周りに知られたらいけない私たちの関係だから、外で待ち合わせなんてほとんどしたことがなかった。


街で二人で手をつなぎながら笑いあう。


そんな普通の恋人、それにどれだけ憧れていることか。


でもそんなことがしたいなんて言ったら彼を困らせてしまう。


だから、言わない。


部屋で二人でいれば大抵エッチをすることになる。


ひたすら離してくれないことも時々。


彼は一体、私のことをどう思っているんだろう?


付き合ってほしいとは言われたものの…実際私のことが好きなのか全然わからない。


この関係は、セフレ、とも言うべきなのかな?


最近考えるのはそんなことばかり。


私はさっきまで彼も包まっていたシーツが冷たくなっていくのを感じて胸が苦しくて仕方がなくなった。



 
< 7 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop