another day -あなたから愛される日-
そして待ち合わせ五分前。
会社から少し離れた駅前の噴水前。
なんか恋人同士の待ち合わせといえばここって言うイメージだったから憧れだった。
少しだけ定時を過ぎてしまったから焦ったけどなんとか彼より早く着くことができた。
社長は、いつ来るかな…。
あれから二時間がたった。
彼が来る気配は全くない。
真冬の夜九時、外は北風が冷たい。
手や足の先は冷え切ってしまった。
ねぇ、靖人。
早く来て、抱きしめてよ…。
そしたら、遅れたこと許してあげるから…。
それからまた二時間が過ぎた。
もう、帰ろうかな…。
そう思った時だった。
「莉奈ちゃん?」
下を向いていた顔をふと上げると見覚えのある顔があった。
「祐真くん…。」
それは、大学時代の同級生だった。