極上ショコラ【短】
「お気に入りだとは思いませんが、パーティーには出席して頂けるようにきちんと交渉します」


「頼むぞ。何と言っても、主演女優たっての希望なんだからな」


「はい」


貼り付けたままの笑顔に限界を感じながら頭を下げ、ようやく自分のデスクに戻れた。


今日は仕事で篠原に会う予定は無いけど、帰りに足を運ぼうと決めて彼にメールを打つ。


用件だけを並べて送信し、ため息をついた。


プライベートで仕事の話をしたくは無いけど、今回ばかりは時間が無いから背に腹は替えられない。


篠原からの返事は無かったけど、とりあえず押し掛ける事にした――…。


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