極上ショコラ【短】
「素っ気なくないか?一応、元カレだぞ?」


「だから何?浮気した相手とにこやかに話せる程、あたしは寛大じゃないから」


「……相変わらずだな、その可愛いげのなさ」


凜とした態度でいようと思ったのに、吐き出された言葉に胸の奥が痛む。


こんな奴のせいで傷付く必要は無いと思うのに、その痛みは強くなっていった。


「その分だと、恋人なんていないだろ?俺、この間彼女と別れたばかりだし、今ならやり直してもいいぞ」


和也はこんなにも無神経で、低俗な男性(ヒト)だっただろうか。


それに気付かなかった過去の自分が、とてもバカみたいに思えた。


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