極上ショコラ【短】
「……ご心配なく。これでも、恋人はいるから」


それはもちろん、篠原の事。


彼と釣り合わないという事くらいわかっているし、自分でも本当に付き合っているのかと疑いそうになるけど…


「和也よりも遥かに素敵な男性(ヒト)だから、間違ってもあなたなんかと付き合ったりしない」


それでもきっぱりと言い放ち、手首を掴んだままの手を振り払った。


「別にいいよ、そんな見栄張らなくて」


見栄なんかでは無いと口にしようとして、喉元で飲み込む。


「……どう思ってくれても構わないよ」


そして、今度こそ踵を返した直後、目を見開いた。


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