極上ショコラ【短】
「わかり難いんだよ」


「え……?」


「嫉妬なら、もっとわかり易い方法で見せろよ」


小首を傾げたあたしに、篠原がため息混じりにうなだれる。


「大体、セリナに俺を売ったのはお前だろ?」


その後で責任を転嫁されて、思わずムッとした。


「人聞きの悪い事言わないで下さい!」


「何がだよ?セリナに俺を貸してくれって言われて、すんなり了承したじゃねぇか」


「あんなの、了承って言いませんよ!それに、ただの担当者のあたしが断れる訳ないじゃないですか!」


「バカか、お前は」


正論で返したあたしに、篠原が大きなため息をついた。


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