極上ショコラ【短】
「お前も言えよ、好きって」


フワリ、柔らかい笑みが落とされる。


「ほら、雛子」


こんなにも優しげな表情を見せられた記憶は無くて、ここぞとばかりにそんな顔をする篠原はやっぱりずるい。


「ん?」


促すように微笑む彼に、胸の奥がトクンと高鳴って…


「好き……」


小さく小さく、だけど溢れる想いをはっきりと声にした。


途端、ゆるりと緩められた瞳が、あたしの心をギュッと掴む。


「……ふざけんな。1年以上掛かって、たったそれだけかよ」


不満げな言い方だったけど、あたしに向けられる表情はとても幸せそうだった。


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