祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
講義も終わり、5人は食堂へ移動した。




「レポートのお礼に奢る約束だよね。カンナ、何がいい?」

「じゃあB定食で」

「了解。私が持っていくからカゼ達と先に席取っといて」



キヨは食券を買うとカウンターに並ぶ。


するとケンがやってきた。




「ケン、どうしたの?もうランチ買ったでしょ」


「うん。だけどキヨ1人で運ぶの大変でしょ?手伝いに来たよ」


「へへっ。ケンは優しいね。イノリもケンを見習って欲しいよ」


「優しくなくて悪かったな」




キヨとケンが並んでいると後ろからイノリがやってきた。




「何だよ、イノリ。キヨの手伝いは俺がするからお前は席についてろよ」

「お前が席についてろ、邪魔だ」



イノリはケンを列から追い出すとキヨの隣りに並んだ。


ケンは喚きながらも渋々カンナとカゼのいる席へと戻っていった。




「なんでイノリはケンに冷たく当たるのよ」

「お前の横にピッタリくっついてるからうざかったんだよ」

「ヤキモチ?」

「なんでだよ!!」



キヨは笑いながらイノリをつついていた。




並びながらじゃれ合う2人を、席に座りながら見つめる3人。
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