祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】
「………カンナ、濡れるよ」
「カゼ…好きだよ。大好き…。お願い、私を好きになって。カゼが抱えてる痛みを私にも分けて欲しい」
「………ありがとう、カンナ」
カゼは濡れてしまったカンナの体を抱きしめる。
「…キヨ、行こっか」
「うん」
庭で抱きしめ合っている2人を見たケンとキヨは、優しく微笑みながら静かに家から出て行った。
暫くして、抱きしめていたカンナの体をカゼはそっと離す。
「………カンナ。俺、美咲さんの…義姉さんの所へ行くよ」
「え?…なんで!?」
「………寂しいって言ってたから」
「私もカゼがいないのは寂しい!20年一緒にいたのよ!?今更カゼがいなくなるなんて嫌だ!!」
カンナは泣きながらカゼの服を引っ張った。
カゼが風のように消えてしまわないように。
無色の風は、吹き抜けてしまったら見えなくなってしまうから……
「カゼ…好きだよ。大好き…。お願い、私を好きになって。カゼが抱えてる痛みを私にも分けて欲しい」
「………ありがとう、カンナ」
カゼは濡れてしまったカンナの体を抱きしめる。
「…キヨ、行こっか」
「うん」
庭で抱きしめ合っている2人を見たケンとキヨは、優しく微笑みながら静かに家から出て行った。
暫くして、抱きしめていたカンナの体をカゼはそっと離す。
「………カンナ。俺、美咲さんの…義姉さんの所へ行くよ」
「え?…なんで!?」
「………寂しいって言ってたから」
「私もカゼがいないのは寂しい!20年一緒にいたのよ!?今更カゼがいなくなるなんて嫌だ!!」
カンナは泣きながらカゼの服を引っ張った。
カゼが風のように消えてしまわないように。
無色の風は、吹き抜けてしまったら見えなくなってしまうから……